今日は、アメニティフォーラムに登壇させていただきました。 文化庁の日本博の一環で、「日本人と自然」を障害者の視点を通じて国内外に発信する、文化芸術フェスティバル。 なぜ、私がそんなところに…。と不思議だったのですが、私たちが登壇したシンポジウムは「農×福×食」のセッションで、私は「おもや x cenci x 瑞穂」で取り組んだ「ゆずとうがらし」プロジェクトのお話をさせていただきました。 登壇者4名は名古屋、山城、栗東、大津に住んでいるので、事前の打ち合わせはskype会議。これも初めて体験しました。 打ち合わせの中、自分たちの伝えたいことがだんだん固まっていきました。
障害のある人と一緒に農業に取り組む。たくさんの人がいる障害者施設で、手をかけ、時間をかけてみんなで農作業する。高齢化する地域の耕作放棄地を引き受ける。地元の祭りの神輿に使う農作物も育てる。手がかかるからと作られなくなった伝統野菜を育てる。育てた野菜を加工する。育てた野菜を使って地元の人が集まるcafeをする。 これは、 手がかかるから→みんなでする だから、→ そこに文化が生まれる。 障害のある人が失いつつある文化を、再構築しているんじゃないか。 取り戻しているんじゃないか。 そして、手をかけるからこそ、その仕事に誇りが持てる。 効率だけを求めて取り組んだ仕事には誇りは持てない。そんな仕事を続けたら人間は疲弊する。すり減る。
このセッションは、日本文化を食を通して海外に発信するというセッションだったけど、私はまとめとして、以下の話をした。 海外からたくさんの方が日本に来てくださる。10年以上前なら日本文化に価値を感じてきてくださっていたように思うけど、残念なことに今は「値段が安いから日本に行く」という人が多いように感じる。 そうではなくて障害のある人とともに「手をかけた仕事」で、新しい価値を創りだしたい。それは、「働く誇り」。手をかけた仕事をしているからこそ生まれた誇り、自分への信頼をもち、お互いを尊重し合って生きていく姿で、一石を投じたい。 これは、昔、滋賀県にいた糸賀一雄という人が言ったんですよ。 障害のある人が自己実現する姿が、周りにいる人たちの価値観を揺さぶる。新しい価値を創る。そのことを認めあえる社会を作ろうって。 そんな話でまとめました。 <1968「福祉の思想」糸賀一雄著より> この子らはどんなに重い障害をもっていても, だれととりかえることもできない個性的な自己実現をしているものなのである。 人間とうまれて,その人なりの人間となっていくのである。 その自己実現こそが創造であり,生産である。 私たちのねがいは,重症な障害をもったこの子たちも,立派な生産者であるということを,認めあえる社会をつくろうということである。 『この子らに世の光を』あててやろうというあわれみの政策を求めているのではなく,この子らが自ら輝く素材そのものであるから,いよいよみがきをかけて輝かそうというのである。 『この子らを世の光に』である。 この子らが,生まれながらにしてもっている人格発達の権利を徹底的に保障せねばならぬということなのである。 〈英語訳を、私がしてみました。〉
*まちがってたらごめんなさい。
They have severe disabilities, on the other hand, each of them has unique self-realization.
It cannot be exchanged with anyone.
They have born as human beings, and develop their personality. Self-realization is the way of creation and production.
We pursue to make everyone to respect each other in society. We know that they are distinctive producers even though they have severe disabilities. They don't need to be pitied, but they need to be brushed up to shine more and more.
"Make them the light of the world."
We must fully guarantee the right of personal-development that they have from their birth.
(by kazuo itoga)
Kazuo Itoga created education for children with disabilities in Japan.
おもやの小川さん、さんさん山城の新免さん、無門福祉会の磯部さん、グローの菅沼さん、細井さん、写真を撮ってくれたおもやの杉田さん、応援に来てくれた瑞穂の谷川さん、梅原さん、貴島さん、ありがとうございました。英語訳を添削してくれた、りったん。ありがとう。
Comments